夜のしじまに

            星一つない梅雨の真夜中

夜のしじまが、頭の上から降りてくる

たっぷりとした無音に、木々の世界は満たされて 身体ごと沈んでいく

足は、地面に溶け、 根が生える

地球と一つになる

夜のしじまに、身体は溶けていく

黒い聖母のような あまりに豊かな闇に抱かれて 癒やされ、愛され、どこまでも深く落ちていく

夜のしじまに